社会人なりたての人も、長年業務に就いている人も、必ず必要となるのが報連相です。
新人社員には「報連相って意味あるの?」とか、ベテラン社員では「面倒くさい」とか思われがちですが、業務での問題は報連相でほとんど解決します。
問題解決するための報連相について、独自解釈も交えて解説します。
報連相とは
社会人であれば必ず一度は聞いたことがある言葉だと思いますが、報連相とは「報告・連絡・相談」の先頭文字をつなげたビジネス用語です。
社会人であれば必須なので、システムエンジニアにとっても必須となります。
まずは、報告、連絡、相談とは何ぞやですが、ざっくり説明します。
さらっと確認してください。
報告
最初は報告。
コトバンクによると以下の通りとなっています。
① 告げ知らせること。また、その内容。知らせ。報知。報道。 ② ある任務を与えられた者が、その用務の情況・結果などを述べること。復命。
一般的な業務では ② の意味が強いでしょうか。
作業した状況や結果を言葉にして表現することです。
連絡
次に連絡。
同じくコトバンクでは以下の通り。
① 関連があること。 ② 気持ちや考えなどを知らせること。情報などを互いに知らせること。また、その通知。 ③ 二つの地点が互いに通じていること。また、異なる交通機関が一地点で接続していること。
こちらも ② が近いでしょうか。
連絡の場合は、状況や結果ではなく予定や周知事項など知らせることです。
連携をとるといった意味合いだと、コミュニケーションが近いようです。
相談
最後に相談。
コトバンクでは以下の通り。
どうするかを決めるために話し合うこと。話し合い。談合(だんごう)。
話し合うことが相談です。
「一方的な質問」や「答えだけを期待する会話」は相談にはなりません。
報連相する内容
報連相する内容としては、「現在の状況 : 報告」、「今後の予定 : 連絡」、「何をするべきか : 相談」となりますので、必要な情報を整理しておきましょう。
報告
報告するには現状を把握する必要があります。
やったこと、やっていないこと。
できたこと、できなかったこと。
できるだけ事実に基づいた内容を報告しましょう。
作業状況などは、数値化して報告すると相手に伝わりやすい場合が多いです。
例
テスト項目 50件中 20件完了しました。 チェック処理が80%、登録処理が60%、全体で50%程度完了しました。 など
連絡
連絡する際は、今後の予定や関連する情報をまとめておきましょう。
作業の予定、打ち合わせの予定、休暇の予定など。
会社に遅刻しそうなときも連絡となります。
(電車遅延を報告でも良いですが・・・)
例
明日は朝10時から打ち合わせがあるのでお客様先へ直行します。 〇月〇日、私用のためお休みします。 など
相談
相談する内容は、報告と連絡から自分のとれる対応で良いか、改善できそうなことがないかを聞くことになります。
相談とは話し合うことです。
「どうすれば良いですか?」だけではただの質問になってしまい、「報連相とは」で記載した相談にはなりません。
できるだけ自分の意見を入れて相談しましょう。
例
明日から別作業の予定ですが、現在の作業が遅れているため続けても良いでしょうか。 作業が完了したので、次の作業指示をお願いします。 など
業務で発生する問題
日々の業務で主に発生する問題を列挙してみました。
特に新人社員が悩んでいることのほとんどは報連相することで解決できます。
自分が新人社員だった頃と、後輩の行動パターンを見ていて気付いたことです。
状況ごとに何を報告、連絡、相談すれば良いかまとめてみました。
いつも先輩に注意されている人は、報連相の方法を少し変えてみると良いかもしれません。
当てはまる方がいたら、参考にしてみてください。
何をして良いかわからない
新人社員にありがちな問題として、「何をして良いかわからない」ことがあります。
新しいプロジェクトや現場に入った時は特にですが、何をして良いかわからずオロオロしてしまいます。
「何をして良いかわからない」を放置すると、「何してたの?」、「やる気あるの?」と注意されます。
ポイント
報連相する前に、以下の内容をチェックしてください。
「何をして良いかわからない」場合でも、できるだけ考えてから行動しましょう。
チェック中に「何をして良いかわからない」が解決する場合もあります。
現在の状況は整理できていますか?
与えられている資料や情報、指示された内容、作業および調査結果、できることとできないこと、など。
今後の予定は把握していますか?
プロジェクト全体のスケジュール、今後の作業予定、現在の作業の締め切り、自分の予定、など。
解決方法がわからない
自分の作業がわかったとして、次に発生する問題は「解決方法がわからない」でしょうか。
「解決方法がわからない」を放置すると、「何で質問しない?」、「ちゃんと調べた?」などと注意されます。
技術的なことや操作手順など、自分一人では手詰まりになることは良くあります。
ひとりで解決できなそうであれば、「実施結果と調査結果を整理して報告」、「解決策や調査方法を相談」しましょう。
ポイント
どこまでやったか把握していますか?
原因は特定できなくても、「やったこと」と「やっていない」こと、「できたこと」と「できなかったこと」は報告できた方が解決が早くなります。
作業が終わらない
作業もわかり、解決方法もわかったとして、「作業が終わらない」場合もあります。
「作業が終わらない」を放置すると、「何で時間がかかっているのか」、「いつまでやっているのか」と注意されます。
想定より難易度が高かったり、修正・確認する項目が多くなったりで時間内に作業が終わらないことは少なくありません。
「遅延理由を報告」、「スケジュール変更やヘルプ依頼を相談」しましょう。
ポイント
残りの作業時間は推測できますか?
現在の作業状況 (できれば数値化)、残りの作業時間、など。
残りの作業時間が 1時間なのか、4時間(半日)なのか、もしくは 2日間なのかは考えておきましょう。
作業予定は把握できていますか?
作業完了予定、次の作業開始予定、残りの作業予定、など。
次週は別の作業があるとか、休暇の予定があるなど。
作業がない
自分の作業が終わった場合、「作業がない」状況に陥ることがあります。
早く作業が終わることはとても評価できることですが、「作業がない」を放置すると、「何をやっていたか」、「やる気があるのか」と注意されます。
せっかく評価を上げるチャンスなので、積極的に報連相しましょう。
「作業完了の報告」、「残作業の連絡」、「次の作業内容を相談」してください。
ポイント
やり残している作業はありませんか?
指示されている作業以外のやり残しや、以前の作業でやり残したことなど。
次の作業指示がすぐに出せないときなど、こちらから作業を提案すると好印象です。
何がわからないかわからない
究極的な問題ですが、新人社員や新しく始めた業務などかなりの頻度で発生する悩みです。
これを放置すると、何から手を付けて良いかわからず何も進まないので、早いうちに自分の状況を把握して報連相してください。
ポイント
現在の状況は整理できていますか?
「何をして良いかわからない」と同じですが、与えられている資料や情報、指示された内容、作業および調査結果、できることとできないこと、など。
言葉の意味は分かりますか?
プロジェクト内で使用している専門用語や、システム開発で使われる言葉など。
報連相した際に言葉の知識があると少しずつ理解できるようになると思います。
報連相の注意点
報連相しているつもりでも良く怒られる方は、どれかに当てはまっているかもしれません。
曖昧にならないこと
「やってみたんですけどよくわかりません」とか、「書いてある通りに動かしたんですけど動きません」とか言っている人いませんか?
これって報連相しているようで実は全くできていません。
何が悪いか・・・
「よくわかりません」、「書いてある通りに動かした」の時点で報告が曖昧です。
できること、できないことが明確ではなく、「どこが良くわからないのか」、「どこの操作が動かないのか」が伝わりません。
答えを聞かないこと
学校の授業や、研修中であれば問題ないのですが、直接的な答えを聞くのもあまりよくありません。
プログラムの書き方には推奨はありますが答えはなく、仕様通りに動くことが必要です。
口癖で「とりあえずやってみてください」ということが多いのですが、動かすことで見えてくることが結構あり、試行錯誤してもらった方が本人の知識にもなります。
実際に動かしてみて、自分がどこで詰まっているかを確認し、詰まっているところを調べて解決しない場合は相談することで良い報連相となります。
論点がずれないこと
システムエンジニアに限った話ではありませんが、途中で話がそれたり、そもそもの内容から大きくかけ離れるのは悪い例です。
「結局どうなったのか?」、「何が聞きたいの?」ということになる場合があるので、報連相する際は、最初に結論や聞きたいことを明確にした方が良いです。
まとめ
報連相で問題解決する方法でした。
業務を続けていると、一人で悩んでも解決しないことは結構あります。
手詰まりになったところで、先輩や上司に報連相してみましょう。
報連相で自分自身をレベルアップしましょう。