とある政治家が YouTube でクリティカルシンキングという言葉を使っていました。
言葉の意味を調べたところ、システムエンジニアにとって重要な考え方と思ったので記事にしてみました。
ロジカルシンキングについては以前の記事でも触れたので意識していましたが、クリティカルシンキングという言葉は知らずに無意識で使っていたようです。
どちらの思考法もいろいろな職種で役立ちそうなので、気になる方は参考にしてみてください。
なお、内容は自分なりに調べて消化した内容なので正しい意味とは異なるかもしれません。
もし間違っていたら・・・小技的思考と思ってご容赦ください。
言葉の意味と違い
ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの意味とその違いです。
どちらも物事に対する考え方なので、どちらが正解ということではなく両方知っておくとよいと思います。
ロジカルシンキング (論理的思考)
ロジカルシンキングとは、物事を論理的に順序だてて考える思考方法です。
お客様からの要望や問題点を細かく分析し、ひとつひとつ順序だてて解決するのに役立ちます。
システムエンジニアの業務では、設計や実装に必要とされる考え方です。
以前も記事にしていましたが、システムエンジニアには重要です。
記事はこちら
クリティカルシンキング (批判的思考)
クリティカルシンキングとは、物事に対して常に疑いの目を持って考え、本質を見極める思考法です。
批判的と書くと悪い意味でとらえがちですが、より良い正解を導き出すために「見えている情報や考え出した結果などが本当に正しいか」を判断するのに役立ちます。
システムエンジニアの業務では、要件確認時や設計・実装の妥当性判定 (設計書などのレビュー時) などで必要とされる考え方です。
冒頭に書いた政治家とは別の政治家が話していた「健全な猜疑心」にも通ずることと判断しました。
※ 猜疑心 (疑いの気持ちを持つ心) を否定せず物事に慎重になること。
ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違い
ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの大きな違いは物事をみる視点の違いです。
ロジカルシンキングは細分化したものひとつひとつに注力して考えること。
クリティカルシンキングは全体を俯瞰していろいろな角度から物事を考えること。
ロジカルシンキングとクリティカルシンキングを組み合わせることでより強力な考え方になることがわかります。
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使いどころ
ロジカルシンキング、クリティカルシンキングともに常に意識したいところですが、システムエンジニア目線で特に意識したいところをまとめてみました。
システムエンジニア以外にも当てはまることがあると思うので、職業にとらわれず参考にしていただければと思います。
要件確認時 (状況確認)
クリティカルシンキング
要件確認時はロジカルシンキングというよりは、クリティカルシンキング寄りの考え方のほうが役に立つ傾向があります。
お客様の要件を満たすうえでは、細かい処理ではなく業務の全体像をとらえる必要があるためです。
多角的に物事を考えることで、想定しなかった方法で解決することができるかもしれません。
基本設計 (段取り、スケジュール作成など)
ロジカルシンキング
要望や問題をできるだけ細分化し、順序だてて条件や情報を処理することで簡潔で間違いの少ない機能を設計することができます。
処理ひとつひとつの分岐条件や、登録・更新する内容を考えるときに意識しています。
クリティカルシンキング
設計前や設計中にシステム全体や機能全体を俯瞰してみることにより、方向性の間違いや不要な処理を発見することができます。
また、想定外の条件や現象が発生したときにも影響が少ない状態を考えておくことができます。
詳細設計、実装 (実作業)
ロジカルシンキング
処理や条件をひとつひとつ丁寧に作成することで、不具合の少ないプログラムを作成することができます。
また、細かな処理で分割することで処理の共通化が容易になります。
レビュー (チェック、確認)
クリティカルシンキング
設計、実装時にも意識しますが、レビュー (他者の作成物検証) 時は書かれている内容にとらわれず、いろいろな方面から作成物を確認する必要があります。
他者 (作成者) とは異なる視点でみることができるので、レビューはとても重要な作業といえます。
鍛える方法
ロジカルシンキングとクリティカルシンキングを鍛える方法はたくさんあるようですが、ChatGPT に聞いた代表的な方法を紹介します。
普段から実践することで鍛えられるようです。
ロジカルシンキング
PDCAサイクル
Plan [計画]、Do [実行]、Check [評価]、Act [改善] を繰り返すことで、順序よく解決する力が鍛えられる。
5W1H
Why [なぜ]、What [何を]、Who [誰が]、Where [どこで]、When [いつ]、How [どのように] を意識すると問題を細分化する力が鍛えられる。
クリティカルシンキング
前提条件を疑う
現状や前提条件を疑うことで想定の違いや隠れている問題を発見する力が鍛えられる。
多角的に考える
複数の視点から考えることで、新しい解決策や新たな問題を発見する力が鍛えられる。
また、チームメンバーや関係者に反対意見を聞くことで自分とは別の発想に気づくことができる。
まとめ
政治家が使っていた言葉からいろいろ調べた結果を記事にしてみました。
ロジカルシンキングとクリティカルシンキングはシステムエンジニアにとってとても重要な考え方です。
今後も日々の業務やプロジェクトで常に意識しながらより良いシステムを作成していこうと思います。